自衛隊に勤めている間は転職活動が禁止かどうか気になっていませんか?
結論からいうと自衛隊に勤めている間でも、転職活動は可能です。
筆者である私自身も自衛隊に在籍していながら、転職活動を行っていました。
この記事では実際に自衛隊から民間企業へ転職した経験がある筆者が、自衛隊員の転職活動の取り組み方や、自衛隊を退職するまでの流れに関して詳しく解説しています。
今現在少しでも転職したいと思っている方や、自衛隊を退職したいと感じている方は是非とも参考にして頂けたら幸いです。
Contents
自衛隊員の転職活動は禁止されているのか?
「自衛隊に在職中に転職活動は行ってはいけないの?」
と思われる方もいるかもしれませんが、結論からいうと転職活動は行って良いです。
ただ、自衛隊員をの転職を斡旋するような、営利目的の企業活動等は禁止されています。
その他、階級が高かったり重要な役職についている方は一般隊員とは別に禁止事項があるので、しっかりと考慮しなければなりません。
詳しくは「自衛隊員の再就職等規制について – 防衛省・自衛隊」に詳しく明記されていますので、是非とも参考にしてみて下さい。
一般隊員であればあまり気にすることはありませんので、自衛隊に在職している間に転職に関する情報収集などを精力的に行っておきましょう。
具体的な動きをするのは、自衛隊を退職してからでも遅くはありません。
自衛隊を退職する際の流れ
- 直属の上司に相談する
- 退職に必要な書類の準備・作成
- 共済組合関連の手続き
- 業務事項の申し送り
- 官品物の返納
- 退職日当日(身分証の返納)
自衛隊から転職する前にまずは退職する際の流れや具体的な方法に関して、しっかりと理解しておかなければなりません。
「民間企業への就職が内定したけど、自衛隊を退職することができない…」となっては本末転倒なので、まずは退職することに集中して取り組むのもアリですね。
筆者である私も実際に自衛隊を退職した身ですが、他の民間企業と比べて自衛隊はすぐに退職できるところではありません。
自衛隊を退職する際にかかる期間としては、1〜3ヶ月間程度を目安にみておいて下さい。
①直属の上司に相談する
自衛隊を退職したい意思が固まった方は、まずは直属の上司に相談しましょう。
各部隊には幹部自衛官の上司が、一人ないし二人は所属されていると思います。
直属の上司に退職したい旨を伝える事で、人によっては引き留められたりするかも知れません。
上司の引き留めは必ずあると仮定して、しっかりと退職する為の理由を用意して上司をうまく説得できるようにして下さい。
退職理由が具体的でないと説得力に欠けるので、逆に上司に丸め込まれる可能性もあります。
しかしながら、自衛隊員の退職を引き止めることはできないように法律でも決まっているので、最終的には
「法律でも定められているので、退職させて下さい。」
と持ち出すのもアリですね。
②退職に必要な書類の準備・作成
上司の退職に関する理解が得られたら、上申書類の作成を行います。
上申書類とは、あなたが自衛隊を退職することを自衛隊のお偉いさん方に申し立てする書類のことです。
上申書類には、
- 退職願
- 退職者調書
の2つの書類があります。
各書類に関しては、人事管理を行っている担当部署に行くことで、もらう事ができます。
私も実際に上申書類を持参し、お偉い方のところへ印鑑をもらいに行った事がありますが、上申の過程で引き留めに合うこともありますので注意が必要です。
③共済組合関連の手続き
共済組合関連の手続きも退職手続きと同時に、進めて行かないといけません。
不安な方は分かりやすいようにリストを渡されるので、心配しなでください。
具体的に行うこととしては、
- 防衛省共済組合貯金の解約
- 防衛省共済組合員証の返納
- 各種保険の解約
の3つがあげられます。
自衛隊内で入れる保険は一般の保険よりも料金が安いので、退職後も一定期間であれば加入しておく事が可能です。
④業務事項の申し送り
ご自身が携わっている業務の申し送りも、しっかりと行っておきましょう。
「退職するからもう関係ない!」ではなく、“立つ鳥跡を濁さず”の精神で取り組む事が大切です。
同じ所属部署の同期または部下に簡潔に申し送りを行っておくだけでも良いので、しっかりと行っておいてくださいね。
⑤官品物の返納
官品物とは、自衛隊から支給された衣類等を指します。
自衛隊から支給された物資なは全て退職前に返納する義務がありますので、くれぐれも外に持ち出さないようにしてください。
また、情報漏洩等につながるような個人で購入したもの(教本など)は、しかるべき処理を行わなければいけません。
自身で判断がつかないものがある場合は、人事管理の担当者に連絡して判断を仰ぐのも一つの方法です。
⑥退職日当日(身分証の返納)
退職日当日は部隊長への申告と身分証の返納を行う事で、自衛隊から完全に退職することとなります。
部隊長への申告内容等は、人事部等が用意されている文言をいうだけでOKなので心配しないでください。
申告が完了すると人事部の担当者に身分証を返納し、自衛隊の基地内から出れば完全に退職したこととなります。
これであなたの自衛隊生活は終了となり、同時に新たなセカンドキャリアの幕開けですね。
自衛隊からの転職は年齢を重ねるごとに不利になる
自衛隊からの転職を考えている方は、早めに動かないとかなり転職市場的には厳しくなってきます。
実際に転職エージェントの大手起業であるdodaの調べによると、転職成功者の平均年齢は31.6歳となっています。
性別で見ると男性の平均年齢は32.4歳、女性は29.7歳となっていますね。
上記のデータからも分かるように、転職市場で求められている年齢は20〜35歳までとなっており、それ以上となると転職するのはかなり難しいです。
早期に自衛隊を退職して新しい民間企業等でスキルや知識を身につけて、起業する方も中にはいます。
将来的なキャリアプランをアバウトでも良いので、しっかりと考えて自衛隊で今後も良いのか早めに判断しましょう。
30代後半になってから民間企業へ転職を検討したり、新しい業界へ挑戦したりするのは無理ゲーと言っても過言ではありません。
自衛隊から民間企業へ転職する方法
自衛隊から民間企業へ転職する方法としては、まず最初に転職エージェントを活用しましょう。
転職エージェントとは、無料であなたの転職をサポートしてくれるサービスです。
プロのキャリアアドバイザーが一人一人サポートしてくれますので、転職活動に不安がある方でも安心して利用する事ができます。
自身の市場価値や転職できそうな企業情報なども分かりやすく無料で提示してくれるので、まずは登録してみて情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
自衛隊から転職する際によくあるQ&A
自衛隊から転職する際によくある質問に関して、詳しくまとめてみました。
自衛隊に勤めている方は大半の方が始めて転職活動をされると思いますが、民間企業で働いた経験がない方は大変不安ですよね。
実際に自衛隊員の定着率は年々減少しており、昔のようにずっと自衛隊に在籍するといった選択を取る方は少なくなってきています。
今の時代公務員だからずっと安定しているとは言えませんので、将来的なことを考えて早めに行動していきましょう。
自衛隊から民間企業等へ転職するのは難しいですか?
自衛隊から民間企業へ転職するのは、それほど難しくありません。
転職エージェントサイトを上手く活用することで、あなたに適した転職先を複数見つける事ができます。
個人だけで転職活動を行うのは難しいので、まずは気になる転職エージェントに登録して相談から始めてみてはいかがでしょうか。
また、現時点で年齢が35歳以上の方は、民間企業へ転職するのは大変難しいのです。
年齢的に厳しい方は個人で始められるスモールビジネス等を検討するか、実家の家業を継ぐなどを検討してみるのもアリです。
自衛隊を辞めて後悔しましたか?
自衛隊を辞めて後悔する方は少ないですが、私自身辞めた後にまた自衛隊に戻ろうと考えた事が一度だけあります。
給料等は毎月決まった日にちに振り込まれますし、福利厚生に関しても民間企業よりも優れていると言っても過言ではありませんでした。
人生の選択をどれが正しいと思えるかは人それぞれだと思いますが、実際に自衛隊から退職した身としては今は後悔は全くしていません。
自身の望んだ道を、正しいと思えるようにして行くだけですね。
自衛隊員の転職活動で気を付けるポイント等はありますか?
元自衛隊の方が転職活動で気をつけるポイントとしては、自身の強みに関してしっかりと言語化できるようになっておく事です。
履歴書の作成にしても面接試験にしても、自身が自衛隊生活を通して身につけたスキルや知識を上手く言語化できないと、相手に伝える事ができません。
いくら優れた才能をあなたが持っていても、それを上手くアピールできなければ意味がありません。
キャリアの洗い出しなども全て転職エージェントを利用すれば、担当者が的確なアドバイスをしてくれますので、是非とも悩んでいる方は相談してみてくださいね。
面接試験で退職理由を聞かれたらどうしたら良いですか?
面接試験で退職理由を聞かれた際には、出来るだけポジティブな理由を述べる事が大切です。
ここで間違って自衛隊が悪いようなネガティブな意見を言ってしまうと、面接官に良い印象を持ってもらえなくなります。
ですので、面接試験等で退職理由を聞かれた際には、ポジティブな理由を予め考えておいていうようにして下さいね。
また、具体的な退職理由に関しては、以下の記事で紹介していますので参考にしてみて下さい。
まとめ:自衛隊員の転職活動は禁止なの?民間企業へ就職する方法を徹底解説!
ここまで自衛隊員の転職活動等に関して詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
自衛隊から転職する際には出来るだけ在籍中にしっかりと情報取集を行い、方向性をしっかりと決めてから行動する事が大切です。
自衛隊を退職するのも一苦労なので、まずは退職手続きをしっかりと行い完全に自衛隊を退職した後に、本格的な転職活動を行って下さいね。
また、18歳から自衛隊に入隊した方は、かなり不安に感じる事が最初は多いと思います。
自衛隊在籍中にしっかりと貯金をしておき、自身の今後のキャリアプランに関して本気で考えたら、後は行動あるのみです。