たまにニュースで自衛官のパワハラやいじめによる自殺や暴力事件が話題になりますが、実際の現場は一体どうなっているのか気になりますよね。
自衛隊という組織は他の民間企業よりも上下関係が厳しく、階級社会なので上司の命令は絶対だという側面が大変大きいです。
体育会系的なノリで言えば先輩と後輩といった意識がとても強く、民間企業のように営利目的ではないことも大きく影響を与えていると言えます。
一時期は社会問題として大きく取り上げられていましたが、自衛隊という組織の中でパワハラやいじめがなくならない理由は、一体何なのでしょうか。
Contents
自衛隊にパワハラやいじめが多い3つの理由
- 階級・男性社会である(体育会系的なノリ)
- 現場に人が足りていない(多忙からくるストレス)
- 民間企業とは違い利益を求めない(目的意識が不透明)
自衛隊にパワハラやいじめが多い主な理由としては労働環境があまり良くないことや、現場に人が足りない事が主な原因として挙げられます。
自衛隊の現場ではいまだにマンパワーに頼った業務を行っているため、一人にかかる労力も大きくなり他人に気を遣っている暇がありません。
そのため、後輩に対する先輩自衛官の配慮が足りず、いじめやパワハラに発展するケースが跡をたたないのです。
階級・男性社会である(体育会系的なノリ)
階級社会であるというのは、他の民間企業からすると少し変わっていると感じる部分もあるかもしれません。
シンプルに階級が高い人が偉いという訳ではなく、階級が高いが故に、実力が階級に追いつかず苦しんでいる人も中にはいます。
また、自衛官の女性の割合は全体の数%に止まっており、今もなお男性社会であることに変わりはなく男性特有の体育会系的なノリは健在しています。
現場に人が足りていない(多忙からくるストレス)
ITやテクノロジーが進化しアメリアではGAFAと呼ばれる世界的にも有名な大企業が躍進している中、自衛隊という組織はいまだにマンパワーに頼った働き方をしています。
年々自衛官への募集人数も減っている中で、現場には規定の人数よりも人が足りない状態が続いているところが多い。
その上、米トランプ大統領は「今後はアメリカファーストでいく!」といっている訳ですから、人が足りないでは済まされない状況になってきています。
※GAFAとは?:Google、Amazon、Facebook、Appleの4社のイニシャルを取った略語。
民間企業とは違い利益を求めない(目的意識が不透明)
「自国のために一生懸命頑張ります!」とやる気十分で自衛隊に入隊するのは少数派。
働く目的が自国の防衛や有事の際の災害活動なので、何もなく平和であればだんだん目的意識も薄れていき、何のために働いているのか分からなくなってきます。
職場によっては「暇だからあいつをいじってやろう」といったマインドを持つ人は少なくなく、中には悪質なことをする人もいるくらいです。
自衛隊のパワーハラスメント事例集【訴える人急増】
海上自衛隊横須賀地方総監部(神奈川県横須賀市)は6日、複数の部下に対し、日常的にパワハラをしたとして、誘導武器教育訓練隊の40代幹部自衛官を停職20日の懲戒処分にしたと発表した。
(出典:Yahooニュース)
昔は体罰的な指導方法を許容していた雰囲気もありましたが、今は少しでも相手がパワハラやいじめだと感じればその時点で問題となる事が多いです。
当人はいじめやパワハラだと思っていなくても受け取る相手によっては、そう感じている場合もあるので注意が必要。
胆振管内白老町の陸上自衛隊白老駐屯地に配属されていた自衛官川島拓巳さん=当時(19)=が2012年に自殺したのは、先輩隊員から受けたいじめに陸自が対応しなかったのが原因として、遺族4人が23日、国に対し、慰謝料など計約1億円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こした。
(出典:北海道新聞)
一人の自衛官の何気ない行為が、一生をかけても償う事ができないことにも発展しかねないということですね。
自衛隊を辞める人にはそれぞれタイプがある。
1→任期満了(大体2年)
2→部隊先輩ガチャミス(パワハラ)
3→不名誉除隊(人間のクズ)私は2番です
パワハラ通り過ごしてイジメでしたからな
部隊に相談しても対処してくれなかったし、さらにイジメがエスカレートしていった部隊ガチャは大事よ
— RYU@山猫的スナイパー (@RYU77902960) April 23, 2020
自衛隊でのいじめやパワハラが人材募集にも大きな影響を及ぼしている、と言っても過言ではありません。
実際に年々自衛隊に応募する若者の割合は減ってきており、
- 政府側も定年を引き上げ
- 応募年齢枠を拡張
といった取り組みを行っています。
自衛官のパワハラやいじめに対する防止対策
年々自衛隊ではパワハラやいじめに関連する懲戒処分案件が増えており、それに対する対策として防衛省は自衛官のパワハラに対する処分を重くしました。
動画の内容を要約すると…
事案の概要 | 現行の処分 | 厳罰化後の処分 |
重傷(全治1カ月以上) | 免職、降任、16日以上の停職 | 免職、降任、6カ月以上の停職 |
傷害(全治1週間以上1カ月未満)、複数回・長期間の暴行 | 6日以上15日以内の停職 | 3カ月以上6カ月未満の停職 |
傷害(全治1週間未満)、複数の平手打ち・足蹴りなどの暴行 | 1日以上5日以内の停職 | 1カ月以上3カ月未満の停職 |
胸ぐらをつかむ・壁に押しつけるなどの暴行 | 減給 | 1日以上5日以内の停職 |
暴言、長時間の拘束など | 訓戒・注意 | 減給、戒告、訓戒、注意 |
(出典:防衛省・自衛隊)
自衛隊のイメージ悪化が採用難に繋がっている!?
自衛隊でのパワハラやいじめが社会問題としてニュースなどに取り上げられると、新規採用にも難色現れます。
実際に自衛隊は今人材不足に悩まされている状況であり、民間企業同様に人が現場に足りていない状態です。
自衛隊に限らず日本全体的に少子高齢化の影響もあり人口が減少している訳ですが、外国人労働者を採用するわけにもいかないので、今後のイメージアップが必要不可欠。
いくら人材を確保する自衛隊の広報部が頑張っていたとしても、世間にパワハラだいじめだといったニュースが出回ると若者も応募しようとは思わないでしょう。
自衛隊でパワハラを受けた人は弁護士にご相談を!または転職を検討しよう
自衛隊でパワハラやいじめを受けて相談する相手がいない場合は、弁護士に相談してみるのもアリです。
弁護士に相談するのが面倒な方は、自衛隊から早々に転職しましょう。
思いつめて自殺するよりも、セカンドキャリアを求めて心機一転転職する方が、あなたの人生も開けます。
また、自衛隊に限らず仕事をしていると何かしら壁にぶち当たることはありますので、まずは気軽に話せる人に相談してみるのが得策です。