自衛官が副業できるのか疑問に思っていませんか?
実際には自衛隊の副業は法律で禁止されており、本職以外にお金が稼げるようなビジネス(事業)を起こすことはできません。
ただ、資産運用に関しては禁止されていないので、副業という考えではなく資産を運用するという考えで取り組むのは可能となっています。
本職だけの収入では退職した後に路頭に迷う恐れがあるので、自衛官の方は今の内からしっかりとした資産運用が必須となってきます。
この記事では元自衛官である筆者が自衛官が取り組める副業(資産運用)に関して、詳しく解説していますので是非とも参考にしてみてください。
国家公務員法の法律はどうなっているか?
上記の画像を見て頂いた通り、
職員は営利を目的とする営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員等の職を兼ね、または自ら営利企業を営んではならない。(国家公務員法 第103条 より)
とされています。
はっきりと“副業はダメですよ!”書いてあるので、万が一、隠れて営利目的で副業を行っていると罰則される恐れがあります。
このご時世に自衛隊などの国家公務員(または公務員)は副業が禁止されているので、退職した後に役立つビジネススキルを身につけるのが困難。
収入の分散もできないので将来的に考えて、かなり不利な立場だとも言えます。
職員が報酬を得て、営利企業の役員等との本業以外の兼業を行う場合には、内閣総理大臣及び所轄庁の長の許可を要する。(国家公務員法 第104条 より)
また、自衛官が唯一取り組める資産運用に関しても、部隊に申請し上官の許可が降りないと取り組めないのでかなり面倒です。
過去に自衛隊で副業がばれて罰則を下された3つの事例
自衛官である以上一度でも何かしら罰則を下されると部隊に居づらくなり、自主退職してしまう方が多い傾向にあります。
会社とは違い常に集団行動を義務付けている自衛官ですが、一度でも悪い噂が立ってしまうとたちまち基地全体に広がってしまい兼ねません。
実際に副業関連で罰則を下された人の多くが懲戒処分となっており、軽はずみな行動から重い罰則を貰っています。
2000万円収入の副業で自衛官処分|人生相談で情報漏洩リスクも
航空自衛隊浜松基地は26日、自衛隊法に違反して副業で人生相談をしていたとして、同基地第2術科学校所属の50代男性空曹長を停職40日の懲戒処分にした。
これまでに計約2000万円の報酬を得ていたという。同法62条1項の「営利企業を営んではならない」に違反する。
出典:東スポ
筆者も勤務していた浜松基地ですが、この方は人生相談でお金を隊員から貰いながらサービスを提供していたようです。
基本的に教育関連の役職の人は相談料などもらわずに、積極的に相談に乗るべきだと思いますが、割に合わなかったのでしょうね。
合計2,000万円も稼いでいるくらいですから、早々に自衛隊を辞めてそっちで食っていったほうが良かったような感じもしますが…。
マルチ商法で副業|4隊員を懲戒処分
陸上自衛隊木更津駐屯地は3日、いわゆるマルチ商法と呼ばれる連鎖販売取引で副業したとして、第一輸送ヘリコプター群の20代の男性隊員4人を停職4日と戒告の懲戒処分にしたと発表した。
出典:千葉日報
ネズミ講のような悪徳ビジネスは何も民間企業だけではなく、自衛隊内にも存在します。
このような悪い噂はすぐに広がるので、当事者である自衛官の方は続けることは不可能でしょう。
特に自衛隊ではビジネスに関しては疎い方が多いので、騙されやすいといった特徴があるのも要因になっているとも言えます。
陸上自衛隊員7名がアフィリエイトで懲戒処分
陸上自衛隊習志野駐屯地が、オンラインカジノに勧誘する企業の会員となり、紹介料を得たなどとして、男性陸士長2人を停職4日、勧誘を受け入会した同隊などの男性陸士長5人を戒告の懲戒処分にした。
出典:オンラインカジノファン
アフィリエイト(成功報酬型広告)とは、サービスや商品を第三者に紹介することで報酬が得られる広告ビジネスの一つです。
もちろん収益が発生するということは立派な副業となるので、罰則として懲戒処分を下されていますね。
民間企業であればこのような副業は許可されているところが多いのですが、自衛隊を始めとした公務員はまず無理でしょう。
自衛隊で副業として取り組めるの4つの資産運用
自衛隊で唯一、副業として取り組めるのが資産運用。
中には「ギャンブルじゃないの?」と感じる方もいるかもしれませんが、資産運用はギャンブルではありません。
実際に自衛官の多くが取り組んでいる資産運用は、大きく分けて4つ。
- FX投資
- 株式投資
- 投資信託
- 不動産投資
特に多くの自衛官が取り組んでいるのが不動産投資。
どれを選ぶかは本人次第ですので、ご自身の状況や目的にあった資産運用方法を選択する事が大切です。
FX投資
FX投資とは、外国為替証拠金取引のことを意味しており、2ヵ国間の通貨のやり取りで起きる差分で利益を得る投資方法を意味します。
FXには国内と海外の業者が存在しています。
国内のFX業者では追証(おいしょう)と呼ばれるトレードで口座がマイナス(借金)になった場合に、自己負担になるリスクが…。
その点、海外FX業者では追証(借金)はなく全て業者がマイナス分は負担してくれるので、やるなら海外FXがおすすめです。
株式投資
一般的に馴染みが深いのが株式投資ではないでしょうか。
そもそも株とは、会社が資金調達のために発行する“株券”のことを意味します。
会社が発行した株券を保持することで
- 配当金(会社の利益の一部を支払うこと)
- 議決権(議会の一員として議会に加わる権利)
などの特典が付与されます。
株式投資もFX投資同様ある程度の基本的な知識が必要なので、まずはデモ口座などを活用して練習しながらトレードに慣れる事が大事。
投資信託
FX投資や株式投資と比較して値動きがそれほど激しくなく、投資初心者向きと言えるのが”投資信託”になります。
投資信託(ファンド)とは複数の投資から資金を集め、マネージャーが代わりに資金運用してくれる仕組みの金融商品です。
あなたの資金を実際に運用するのはプロの投資家であるファンドマネージャーであり、あなた自身に投資に関する詳しい知識がなくても、気軽に取り組めるメリットがあります。
簡単にいったら資金だけ預けてあとは「プロの投資家にお任せします!」といった仕組みになりますね。
不動産投資
不動産投資とは、利益を得ることを目的として不動産(アパートやマンションなど)に投資することを意味します。
不動産投資から得られる利益としては
- 賃貸収入
- 売却利益(安い時に買って、高い時に不動産を売る)
などが考えられます。
基本的にはどの資産運用方法に関しても、それぞれにある程度の基本的な知識が必要であり、何も知らずに始めるのはかなりリスクが高いのでおすすめしません。
投資初心者の方であれば、まずは比較的気軽に取り組める”投資信託”から初めてみてください。
自衛隊で副業するには許可が必要でありリスクは高め!
結論をまとめると、自衛隊での副業はハードルが高すぎて無理があると言えます。
理由としては、実際に国家公務員法103条及び104条に
- 副業をしてはならない
- 万が一行う際には、所轄庁の長の許可が必要
と定められているから。
資産運用ですら申請許可が必要であり、こっそり副業でもやっていようものなら懲戒処分は免れません。
罰則を下されてしまうと、その後の自衛隊生活にも影響が出てくるのでかなりハイリスク。
どうしても副業がやりたい方は、自衛隊を退職して民間企業へ転職した後に取り組むのが良い方法であると言えますね。