(自衛隊から脱走するとどうなるのだろうか…)などと思っていませんか?
実際に自衛隊から毎年一定数の人が脱走しており、その99%が数日で捕まって退職しています。
結論からいってどんなに自衛隊生活がきつく、辛くても、脱走だけはおすすめしません。
なぜなら脱走すると周りに迷惑になる他、探索にかかった費用等は全て脱走者が負担するハメになるからです。
また、自衛隊では脱走ではなく脱柵(だっさく)と呼ばれることが多い。
脱走に気づかれると最初に部隊の隊員で捜索にあたり、それでも見つからない場合は警務隊が動きます。
警務隊が動くとなれば全国各地の自衛隊基地に脱走者の情報が拡散され、探索要請が出されるのでかなり逃亡は厳しいでしょう。
この記事では実際に元自衛官である私が、自衛隊からの脱走に関して詳しくまとめているので、脱走がどれほどリスクが高く無謀であるかご理解頂ければ幸いです。
自衛隊から脱走したらどうなるのか?
- 自衛隊から脱走する
- 点呼時間に営内にいないことから捜索が開始(電話やLINEの通知がくる)
- スマホで連絡がつかないとなると、まず初めに部隊の人たちが捜索に動き出す
- 部隊の隊員でも捜索が困難となった場合、警務隊に連絡がいく
- 所属部隊の人間に加えて、警務隊の人たちで専門の捜索班が作られる
- 脱走者がいきそうな場所全てに調査・張り込みされる(もちろん実家にも連絡がいく)
- 周辺自衛隊基地に脱走者の情報がシェアされる(100km園内)
- その後、9割以上が数日で確保される
脱走から確保までの大まかな流れとしては、陸・海・空どこに所属していても同じようになっています。
自衛隊の基地は全国各地に存在しており、本気で探そうとなると一般の方ではすぐに捕まるでしょう。
実際に自衛隊から脱走して過去に逃げ延びた人はいないようなので、脱走という選択肢は持たない方が良いといえます。
ちなみに自衛隊が警察の力を借りようとしないのは世間体からだと言われていますが、警察よりも自衛隊の方が徹底して探しにかかるので逃げ切るのは不可能です。
自衛隊から脱走し確保された後の処分【懲戒処分】
自衛隊から脱走しその後捕まった場合は、懲戒処分となります。
懲戒処分といっても一発でクビになることはなく、停職処分(もしくは自宅謹慎)になることが多いです。
捕まった後は処分が決まるまで待機となり、直属の幹部と相談して今後続けるか退職するかを話し合います。
話し合いの末、脱走者の9割以上が退職するわけですが、中には心を入れ替えて自衛隊を続けている人もいるようです。
とはいえ、続けても”脱走者”としてのレッテルは残るので、かなり周りからの風当たりは強いといえます。
脱走して懲戒処分をもらい自衛隊を退職したとしても、それから2年以上経過していれば再入隊が可能です。
自衛隊の採用年齢は33歳未満となっているので、20代で脱走して退職したとしても自衛隊に戻るチャンスはありますね。
https://learnbefore.com/2020/06/12/re-enlistment/
それでも自衛隊から脱走したい人が抑えておきたい6つのポイント
(自衛隊を退職したいけどできないし、脱走しか選択肢が残されていない…)という方は、脱走する際に気をつけておくべきポイントを6つご紹介します。
- スマホの番号を変える
- 実家とは絶対に連絡を取らない
- 逃亡の際には大きな駅は使わない
- 脱走後100km以上いっきに移動する
- 駐屯地の隊員がよく行くマンガ喫茶等には行かない
- 他の隊員と共通した友人・知人とは連絡を取らない
自衛隊から脱走はいうならば刑務所から犯人が脱走する感覚と同じであり、当事者にはかなりの精神的な負担が考えられます。
海外ドラマ”プリズンブレイク”並の計画性と強いメンタルがないと、逃亡中は正しい判断ができずに捕まってしまうので注意が必要。
一般人が逃げ切るのは不可能なので、脱走しないにこしたことはありません。
実際に自衛隊から脱走した人たちの体験談
この方々は実際に脱走した訳ではないですが、元自衛官という視点から脱走した人を探す際の流れに関して詳しく解説されています。
また、陸上自衛隊の場合はかなり脱走者に対して厳しい扱いを行うらしいので、脱走する際には覚悟が必要ですね。
この方は実際に脱走者を探すために、探索チームとして駆り出された元陸上自衛隊の方です。
脱走者を探索する際にかかった費用などは、やはり脱走者自身に請求がいくようですね。
この方は実際に脱走した経験を持っている方らしいですが、脱走や自殺するくらいなら正規に退職して転職した方が良いといわれています。
とはいえ、当事者からすると正規に退職できないから脱走する訳で、自殺と比較すると脱走がまだマシだといえる。
「自衛隊をやめたいま思うのは、精神壊して働くくらいなら生活保護もらうほうがいいということです。
ばかばかしいじゃないですか。首くくってまで仕事したいですかって…」
関西在住の男性Aさん(24歳)は、自衛隊で鍛えた大きな声でそう話す。
私立大学の新卒で民間企業への就職を目指したが失敗し、任期制の一般入隊枠で海上自衛隊に入った。
とりあえず3年勤めて別の仕事を見つけるつもりだった。
そこで見たのは、想像以上に「ブラック」な職場。高いストレスにさらされ、ふつうの人がおかしくなり、性犯罪、脱走、自殺がありふれている異常な世界だった。
出典:http://www.mynewsjapan.com/reports/2152
自衛隊で脱走して長期間発見されない場合は、ある程度の期間を過ぎると自動的に退職処分にされます。
とはいえ、多くの脱走者が数日で捕まっているので脱走はおすすめしません。
どうしても正規に退職することができない状況にある方は、脱走してすぐに捕まり退職する、というやり方もアリかもしれませんね。
航空自衛隊防府北基地(山口県防府市)は5月30日、無断欠勤が続いたとして、第12飛行教育団の50代の男性空曹長を懲戒免職にした。
同基地によると、空曹長は昨年9月18日朝に出勤せず、所在不明になった。警察に捜索願を出したが、見つかっていない。
勤務態度に問題はなかったという。
航空幕僚監部によると、無断欠勤が20日続いた場合には懲戒免職の対象になる。
高卒で陸自に入隊した隊員は「とにかく今の自衛隊では、人が精神を壊してやめていく。脱走も数え切れない。若い者もベテランも関係ない」と話す。
出典:https://www.tokyo-sports.co.jp/social/1415946/
自衛隊からの脱走者というと、20代の若い世代にありがちなことだと思われる方も多い。
しかし、実際には年齢に関係なく起こっていることであり、年齢に関係なく精神的に無理して業務活動を行っている隊員は少なくないといえます。
精神的に(これ以上は無理だ…)と感じている方は、病む前に早期に退職を志願しましょう。
(前略)書類を書き終わると、結局、部隊のみんなが演習から戻るのを待って、部隊みんな(70人くらい)の前に立って簡単でいいので謝罪しなければならなくなった。
僕は嵌められた、、と思ったが、要求をのまないと駐屯地から出られないので仕方なく従った。
そして70人ほどの前で、裏切り者という立場で謝罪をした。
緊張と恐怖で上手く言葉が出ず、本当に一言程度しか喋れなかった。それでも、言い終わった後は精神的な負荷で涙が止まらなかった。
出典:https://note.com/084653/n/n7de0c914d53e
この方は実際に陸上自衛隊から脱走した後、実家で捕まり、在籍していた駐屯地で謝罪をさせられた隊員の一人です。
結局は退職されたようですが、捕まった後もかなり精神的に追い込まれるみたいですね。
ブルーインパルスに悦ぶヤラセの自衛隊中央病院といえば、よく病気やケガで入院した自衛官がこっそり抜け出して戻らず「脱走兵」となる出口として有名。
— 井上靜 Joe Inoue (@ruhiginoue) May 31, 2020
自衛隊では脱走に関しての手段がパターン化しているみたいですね。
特に陸上自衛隊の場合は海上や航空と比較して人数が多いので、毎年の脱走者も多いといわれています。
自衛隊の同期3名が犯罪でニュース載った詳細
①浮気してる女性に暴行→自衛隊内で自殺
②自衛隊基地から脱走して一日経過させ事を故意に重大化
③恋愛詐欺で合計50万円借りパクして音信不通→女性から通報され逮捕— 平田 甲@イタリア食堂ポルトス (@kabuto_hirata) June 1, 2020
自衛隊には犯罪者もたまに出現しますので、要注意です。
脱走するだけだったらまだ可愛いもの、なのかもしれませんね。
陸自に友達いたけど、士官候補?幹部候補?までいく手前だったらしいけどそいつ訓練中に脱走しよったんや…結局やめてしもた。おかげで自衛隊メシの供給元が絶たれてしまった。
— HT (@Hil_tug) June 4, 2020
訓練中に脱走するパターンは以外に多いです。
特に教育訓練期間中は普段の生活とは違い、かなり厳しい行動制限を受けるのでストレスが溜まりやすく、脱走者も急増しやすいといえます。
自衛隊から実際に脱走した人たちの主な理由と末路
自衛隊から脱走を実際に試みた隊員の多くの理由は、
- 退職したいと告げても、上司に断られた
- 上司に退職を告げるのが怖かった
などが多いです。
上司の言い分としては大半が
部隊に今人が足りない状況だから、今辞めてもらったら困る
など。
ちなみに直属の上司がどれだけ偉くても、退職したい意思がある隊員を止めることはできません。
確かに法律では有事の際には隊員の退職を権限により阻止することができますが、平時の際には適応されませんので、退職することはできます。
“脱走する”という選択肢を取らざるを得ない状況にある人は、本当に可愛そうなので、知っているかたは必ず教えてあげてください。
何度もいうようですが、自衛隊から脱走しても必ず捕まりますので、正規に退職してから転職するようにしましょう。
あなたが思っている以上に、人生何度でもやり直しは可能ですので、安心してください。
ちなみに”自殺”という選択肢は論外です。
自衛隊から脱走する勇気があるなら正規に退職して転職しろ!
自衛隊から脱走した方は逆に”凄い”といえると同時に、脱走する勇気があるのなら正規の手段で退職手続きを行ってから転職しろよ、といいたいです。
脱走するという選択肢はデメリットしかないので、退職する意思をしっかりと先輩でも友人でもよいので具体的に理由まで考えて伝えることが大事。
- 他の隊員に迷惑がかかる
- 捜索費用は全額自己負担となる
- 退職しても脱走したことに対して負い目を感じやすくなる
また、退職理由があやふやなものだと退職する意思が弱いとみなされ、上司や先輩などから論破されてしまいかねませんので注意が必要です。