コラム

自衛隊の過酷な残業が引き起こした悲劇【それでも給料は上がらない】

自衛隊の過酷な残業が引き起こした悲劇【それでも給料は上がらない】

自衛隊では残業代が給料に含まれていることをご存知だろうか?

自衛隊の初任給は任期制隊員(自衛官候補生)で約13万円ですが、これには残業代も予め含まれています。

ちなみに非任期制隊員(自衛隊曹候補生)であっても、残業代込みで約16万円程度。

自衛隊では一般会社員のような残業時間の制限等がない上に、最初から残業代込みで給料が支払われるので、殆どの場合がサービス残業ということになります。

常に多忙な所属部隊やヤバい上司に当たった際には、本当にサービス残業だらけになってしまい、心身を壊す人も少なくありません。

この記事では元自衛官の私が、自衛隊の過度な残業が引き起こした過去の事件を踏まえて、自衛隊の残業がどれほど過酷であるか分かりやすく解説しています。

自衛隊の残業代は給料に含まれている

自衛隊の過酷な残業が引き起こした悲劇【それでも給料は上がらない】

企業の会社員であれば残業代は、基本給料とは別に支払われるのが一般的。

しかし、自衛隊の場合は最初から給料に残業代が含まれているので、別途支払いがあることはありません。

自衛隊の残業に関しては

「労働基準法違反ではないか?」

と疑問を持つ人も多くいると思いますが、法律では自衛官(国家公務員)に労働基準法は適応されないのです。

労働組合法、労働関係調整法、労働基準法、船員法、最低賃金法、じん肺法、労働安全衛生法および船員災害防止活動の促進に関する法律ならびにこれらの法律に基づいて発せられる命令は、第二条の一般職に属する職員には、これを適用しない

出典:国家公務員法付則16条 

逆に一般の会社員の場合だと労働基準法が適応されるので、

  • 1日の労働時間は8時間
  • 1週間の労働時間は40時間

といった労働時間の制限がかかります。

会社員は定められた労働時間を超過すると、全て”法定時間外労働”として扱われ、通常の1.25倍の割増賃金が発生します。

自衛隊ではどれだけ時間外労働をしても給料を上げることはできませんが、一般企業で働く会社員は残業すればするだけ給料が上がるので不公平ともいえるでしょう。

自衛隊員は安い給料で命をかけて国民を守る宣誓書を書き、サービス残業をいとわず身を粉にして働いているといっても過言ではありません。

それでも”自衛隊(公務員)の給料が良い”と言えるのでしょうか?

陸上自衛隊で実際に起きた過度な残業による悲劇

自衛隊の過酷な残業が引き起こした悲劇【それでも給料は上がらない】

陸上自衛隊では今年に入り過度な残業による過労から、精神的な負担が大きくなり、自殺を引き起こした事件が起きています。

自殺する直前の1カ月間の時間外労働は100時間を超え、小銃の捜索業務に当たった時の時間外労働は月最大175時間に達したという。

男性は長時間、過重労働によりうつ病を発症したとして、国は自殺について公務災害と認定した。

両親側は「業務内容や勤務時間は心身の健康を損ねる恐れのある過重なもので、国には安全配慮義務がある」と訴えている。

出典:https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/134465

隊員の両親は慰謝料として国に損害賠償8,000万円を求めて、京都地裁に提訴しています。

しかもこの事件は2020年に入ってから起きたことであり、昔の話ではないのです。

確かに自衛隊では小銃などの部品はかなり慎重に扱われており、一つでも部品をなくすと人海戦術を活用し全員で隈なく探すとといったことを行います。

ですが、この事件に関してはただの”いじめ”でしかありません。

自衛隊の過度な残業に関するネット上の意見・口コミ

自衛隊の過酷な残業が引き起こした悲劇【それでも給料は上がらない】
Twitter上の意見・口コミ

元自衛官からすると、“自衛隊には残業という概念がない”という言葉はかなり刺さる…。

基本的に業務自体は朝0600から開始して、夕方1700で終了となっているが規則通りに業務に当たっている職場は、限りなく少ないです。

自衛隊の給料を時給換算すると、一般的なバイトの時給よりも安いといえます。

なぜなら、自衛官は24時間勤務といっても過言ではなく、労働に対しての対価がいまだに少ないからです。

自衛隊の広報官は人を集めることが仕事なので、あまり自衛隊内部のネガティブなことは口にしません。

実際に私が入隊する際にも広報担当の人に、自衛隊のメリットばかりを並べられデメリットに関しては全く伝えられていませんでした。

また、自衛隊に入隊する際には内部の職種選びがとても重要になってくるので、これから入隊を考えている方はよくリサーチしてから決めた方が良いと言えるでしょう。

自衛隊に残業がないというよりは、残業という概念自体がない、といった方が正しいでしょう。

一般的な20代の若い人たちはまだ知識が浅く、騙されやすいのでホイホイ自衛隊に入隊しそうですね。

実際に私もそうでしたから。

実際に自衛隊の必要定員はいまだに足りておらず、内部では一般企業同様に人材不足に悩まされています。

“自衛隊=国家公務員”だから安定しているというイメージはあながち嘘ではありませんが、蓋を開くとネガティブな問題が多いのが自衛隊。

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自衛隊の給料は基本的に階級が同じであれば、それほど手取り額は変わりません。

どれだけ一生懸命働こうが貰える給料はみんな同じなので、内部では(どうすればサボれるか)を考える人がかなり多いです。

実際に一日中スマホを触っている隊員もいるくらいですから…。

自衛隊にやりがいを求めて入隊した人で、今も続けている人はいないと断言できます。

自衛隊という制度を利用して内部で腐っている人もいるくらいなので、入ってしまえば能力に関係なく同じ給料が貰えるわけです。

見方を変えれば自衛隊ほど楽な仕事はないでしょう。

自衛隊全体の予算がカットされているのですから、この先自衛官の給料がさらにアップするというのは大変難しいでしょう。

現状に不満がある方は文句をいう前に、さっさと退職して、他の一般企業へ転職した方が良いといえますね。

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YouTube上の意見・口コミ

動画内では元自衛官の二人が

「自衛隊って残業あるんですか?」

という質問に対して

「自衛隊は24時間勤務だから残業はないよ!」

と答えられています。

一般企業の会社員からしたら超ブラックな回答ですね…。

自衛隊には”残業”という概念すらない

自衛隊の過酷な残業が引き起こした悲劇【それでも給料は上がらない】

結論をまとめると自衛隊には残業という概念がそもそもないので、現状に不満がある方は早々に退職して、一般企業へ転職した方がよいといえます。

自衛隊ではどれだけ残業しても残業代がつかないので、どうせ仕事するのであれば一般企業へ転職して、残業代をしっかりと受け取った方が給料も上がりやすいです。

実際に私が自衛隊にいた時も長時間労働に対して、不満を述べていた人が周りにいました。

しかしながら法律上、自衛官を始めとした国家公務員には労働基準法が適応されないのですから、現場でいくら文句をいっても仕方がありません。

現状、自衛隊という働き方に不満がある方は、退職して新しいセカンドキャリアを検討してもよいのではないでしょうか。

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